パリの街角で 2006/03/01 
先回の更新時にお約束いたしました、パリ旅行について書いてみます。長く住んでいたのが左岸のサン・ミッシェル広場でしたから、東京に拠点を戻してからエトランゼとして訪れる彼の地でも、かつて慣れ親しんだあたりに投宿するのが常でした。ですが今回は気分一新、賑やかなオペラ界隈に泊ってみました。地区によって町の顔がまったくちがうパリの、未知な部分を開拓したい思いに駆られたからです。

ネットで予約した右岸の中心にあるホテルは、左岸とはちがった意味で快適でした。デ・プレのカフェで寛ぐといった旅情には欠けますが、マドレーヌ寺院から3分。大手デパートのオ・プランタンやギャルリー・ラファイエットも目と鼻の先。ショッピングのためなら地の利は最高です。とはいえ今回はいかんせんユーロが高く、学生時代に家庭教師をしていた男の子に、カシオに勤めればとまでいわれた私の頭に内蔵されている電卓はものの見事にパンク。一切の購買欲が削がれたおかげで、数日間ゆっくりパリの町を歩き回れたというわけです。

パリの町が、またキレイになったのは驚きでした。私の思い入れなどではなく、老朽化した町の物理的な再生です。薄汚れたレトロなパリも魅力的でしたが、町も生きているのですから当然です。ムフタール市場で20年もお世話になっていた八百屋さんに、はじめてお名前を聞くなど、一人でノスタルジックな気分に浸れた、最高に充実したパリ滞在でした。デジカメで撮った写 真を多めに載せましたので、次のページをご覧ください。