本能に忠実なフランス人 2007/03/15 
先日、日仏女性問題についてのパネル・ディスカッションを覗いてみました。女性の仕事、結婚、育児や暮らしについて語り合う様子を、小劇場の最後列の高い席からフムフムと聴講。お集まりの方に男性の姿が目立ったのは、意外でした。

結婚より同棲カップルが多いフランスでは、婚外児がたくさんいます。その数は生まれた子供の48%に相当し、その90%は父親が認知。子供の99%が正式に結婚したカップルから生まれるわが国とは、決定的にちがいます。かの国で出生率が上がっている一因も、そこにあります。このほかにも産休や出産手当、育児手当などの充実した社会保障など、フランス政府の政策が、功を奏したのは事実です。

赤ちゃんや子供が嫌いな女性はフランスにもいますが、私の知るかぎり極めて少数派。プチュプチュ柔らかくて、おっぱいの甘い匂いを漂わせる赤ちゃん。あどけない眼差しで、お人形を抱えるヨチヨチ歩きの子供。性悪説をとりながらもフランス人にとって、幼い子供は絶対善です。幼いころから女性たちには、赤ちゃんを産みたい、可愛がりたいと願う母性本能が根付いています。産みたいけれども産めない事情を取り除く努力を、政府がしたというわけです。みなさんのなかには、「私にだってペットを可愛がりたい本能がある」とおっしゃる方もいるかもしれませんが、人間のあなたにはペットを産むことはできませんよね。

母性本能だけでなく、フランス人は旺盛な性欲、食欲を手放しで讃えます。禁断の木の実を食べてしまったアダムとイヴの子孫なのですもの、当然といえば当然。そういえばアダムもイヴには、物欲と金欲は無縁。子供にかかる教育費なんて計算しないで、私たちももっと本能に正直になろうではありませんか。

*お詫び:先回の最後、ボナペティの綴りをまちがえてごめんなさい。
  Bon appetitで、最後のe がよけいでした。以後、気をつけますから許してネ!