佳境入りしたフランス大統領選挙 2007/04/26 
フランス大統領選挙が、クライマックスを迎えます。22日の予備選挙で大方の思惑どおりニコラ・サルコジとセゴレン・ロワイヤルが残り、5月6日の本選挙に向けて一騎打ち。83.78%という投票率が、国民の大統領に寄せる関心の高さを物語ります。ところで、フランスの今が第五共和制だということを、ご存知でしたか? ここではちがった角度から、選挙がらみのお話をしたいと思います。

なんといっても今回は、女性大統領の誕生に期待したいものです。実は私、81年に大統領になったミッテランの大ファンでした。大政治家の名声をほしいままにしただけでなく、英雄色を好むを地でいった大統領でした。隠し子騒動のときなど、「エ・アロー.ル!」、だからなんなんだの一言で、記者たちを黙らせてしまったのですからあっぱれなもの。セゴレンは、そんなミッテランの秘蔵っ子の一人でした。

80年代のセゴレンは、若かったせいもありますが、ノーメイクのきつい感じの女性政治家でした。ところが90年代の中ごろからメキメキおしゃれになり、ハイヒールを履いてエレガントなスーツを着こなし、魅力全開。マダム然とした、セクシーな貫禄漂うまでになりました。やや皮肉った言い方ですが、そんな彼女のことを一部のフランス人はこう称します、「ドゥモアゼル・ドゥ・ラ・レジヨン・ドヌール」と。

高位の職業軍人の家庭に生まれ育ち、幼いときから抜群の成績でトップをひた走ったセゴレンはまさに、“フランスの良識”そのもの。そして自ら子だくさんでもおわかりなように、生まれも育ちもカトリック。宗教色が薄れつつあるといわれようとも、いざとなるとカトリックは選挙に見方。つまり思想的には左翼を支持しながら基本はコンサヴァな保守という、フランス人の信条に適うというわけです。まあ、いろいろございますが、居並ぶ各国首脳の中で紅一点というのが、いいじゃないですか。