ジョルジュ・サンドをよろしく! 2007/05/15 
パリに発つ寸前、フランスで起きているデモのニュースを聞いていたので、多少の混乱を予期していたのですが、どこも静かなもの。セゴレン女史の鼻息は荒そうですが、わが国で報道されているパニック状態ではありません。

今回、パリにいたのは正味5日間。あまりのユーロ高に唖然としながらも、オープン準備のためのコーヒーカップや小物をせっせと集めました。お金を出せばわが国でもいいものがありますが、パリっぽいものが欲しい。いいものに出会えた、いい旅行でした。

ところで、肝心の店名をお知らせしましたかしら? いくつか候補があったのですが、ジョルジュ・サンドに一件落着。卵とバターと小麦粉とお砂糖を均等に混ぜて焼くお菓子、カトル・カールにしようかとも思ったのですが、大人のムードの2階喫茶スペースを考えてジョルジュ・サンドにしました。George Sandと書きますが、ヴィクトル・ユゴーやバルザックが活躍した、19世紀フランス文学を代表する女流小説家の名前です。

「ジョルジュ・サンドってなに? サンドイッチ屋の名前かなんかですか?」
こうおっしゃったのは、一人や二人ではありませんでしたが、まあいいでしょう。大きなお店ではないのですもの、知る人ぞ知る名前でいいではありませんか。ご存知ない方も、これを機に彼女のことを聞いてください。パリの社交界で男装の麗人と噂され、年下のショパンとの恋愛沙汰はつとに有名。それでいてお料理好きの接客上手で、二人の子供を大切に育て、地域活動に尽力しながら執筆活動も旺盛。祖母と暮らしたノアン村を舞台に描いた、「愛の妖精」が好きです。主人公のファデットちゃんとジョルジュ・サンドは、私が憧れる“激しく家庭的”な女性。そういう意味ではセゴレン・ロワイヤルもそうした女性ですから、やはり大統領になってほしかったですね。