私のおススメ本……その1 2007/09/15 
大手書店の青山ブックセンター(略してABC)さんで、拙著のフェアーをしてくださることになりました。その際、私のおススメ本のコーナーを設けてくださることになったので、過去に読んで印象に残っている本を上げてみました。古臭いと思われる方もおいででしょうが、考え抜いた末のセレクションなんですよ。

井上靖 『しろばんば』
中学生のころ読んで以来、なん度も読み返している大好きな一冊。今は失われた、日本の原点のような作品。それにしても現代社会は、子供だけでなく大人も、ものを考えるひまがなくなりましたよね。
川端康成 『山の音』
美しい日本、鎌倉を背景につづられた大人の屈折した愛の物語。パリのポンピドー・センターで観た、成瀬巳喜男監督で映画化された作品が、またよかったです。
芥川龍之介 『河童』
河童たちが喋っているのがフランス語だと知ったのは、パリに住むようになってからのことでした。短編なので読みやすく、世俗的な価値観が通用しない河童たちの会話を聞くと、不思議なほど頭がスッキリしますよ。
渡辺淳一 『男というもの』
男性の本性がわかる、まさに時代を超えたバイブルともいえる貴重な本。一般の男性が好む女性像の示唆でもありますから、モテたい女性の必読書かも。
箒木蓬生 『逃亡』
これでもか、これでもかと、読者をぐいぐい引っ張ってくれる社会派の力作。読みながら、思わず襟を正してしまうような緊張感がたまりません。読後、今の自分の幸せ度がアップすることまちがいなし。
以上は日本の作品で、海外ものは次回ご紹介します。
読書の秋の、ささやかなサジェッションでした。