フランスのお正月 2008/01/01 

年に一度のお祭りといえばフランスの場合ノエル、クリスマスにつきます。新年はノエルの延長のようなもので、神妙に厳かにノエルを過ごした反動のように騒ぎます。家族を中心に祝うノエルに対し、新年は友達とわいわいいがフランス式。

大晦日の晩、朝まで寝ない覚悟でおめかしした仲間たちが集い、ちょっと豪勢なお料理を囲んで盛り上がります。そして夜の11時を過ぎたころ、それまで静かだった街角に無数の足音が響きます。新年のカウント・ダウンがはじまるころになると、シャン・ゼリゼ通りが人々であふれます。楽しむための演出に労を厭わない、フランスらしい新年のイベントのトップバッターといえるでしょう。

年号が変わる寸前で、されまで燦然と輝いていたイルミネーションがいっせいに消え、人々は一瞬息を止めます。というのも次の瞬間、新しい年を祝って相手かまわず、そばにいる人にキッスをしていいことになっているからです。道往く車のクラクションが高鳴り、家々の窓が開きます。開け放された観音開きの窓から流れ込む凍れる夜気が、ほろ酔い気分の人たちに正気を呼び戻し、人々は口々に「ボン・ナンネ!」。そして石畳の町を新年の薄日が差すころ、興奮さめやらない人たちもようやく眠りにつくのです。明けた元旦は世界的に祝祭日ですが、翌二日からは平常のリズムが戻ります。

希薄ながら正月気分のしめは、ガレット・デ・ロアで。もともとはキリスト教の行事ですが、私たちにも美味しい冬の風物詩。なん層にもなったパイ生地の、真ん中のアーモンド・ペーストに隠された、フェーヴと呼ばれる小さな陶製のおもちゃが当たり、王様になるのはどなたでしょう。今年はジョルジュ・サンドでも、かわいいフェーヴの入ったガレットをご用意しますから、ご期待ください。それではみなさん、よいお正月を!