GSが満一歳 2008/07/01 

GSが無事、一周年を迎えました。生まれた子供が満一歳になったわけで、まだまだ赤ちゃんと私がいっては、ブリッコがすぎますかしら? これからも継続を旨としてやっていきたいと思います。
この一年、厨房でカトル・カールを焼きながら、ショップでお菓子を箱に詰めながら、二階のティー・ルームでお客さまにお紅茶をお出ししながら、さまざまな思いが去来しました。「お客さまは神様」の真意がよくわかったといっては僭越ですが、半分くらいわかった気がいたします。この歳になってはじめて曜日感覚が身についたのも、ささやかな収穫です(笑)。

大きな収穫がなにかについては、一言ではむずかしい。もったいぶっているのではなく、たくさんありすぎるので、べつの機会に申しますね。昔から私をご存知の方々がGSにいらして、「痩せて、はつらつとしているじゃない」と口々におっしゃいます。過去、あらゆるダイエットに挑戦してもかなわなかったことが、ジョルジュ・サンドのおかげでみのりました。心労などではもちろんなく、階段の上り下りで圧倒的に運動量がふえたから。K子ちゃんと彼女より五歳下のパティシエールのHちゃんと笑い転げているのも、はつらつとしてみえる理由にちがいありません。

クッキーの生地を捏ねながら、書きかけの本についてあれこれ思いをめぐらすこともございます。先月末に、九月発売予定の一冊分が脱稿しました。文庫書き下ろしというのは、以前には珍しいケースでした。というのも、そこそこ売れた単行本が、文庫になっていたからです。文庫本は値段が三分の一ですから、書店さんは三倍売らないと商売になりません。印税が三分の一になるのは当然です。割が合わないのはたしかですが、著者であると同時に私も読者になります。単行本より、安い文庫のほうがだんぜん買いやすい。相手の立場でスンナリ物事を考えるようになったのが、GSをはじめた収穫のひとつです。