優しくなってパリ旅行 2008/09/15 

九月上旬のパリは、セーターを羽織っても寒いほど秋でした。艶やかなマロニエの実がぽとんと歩道に落ちたかと思うと、目の前に大きな枯葉がひらり。ノルマンディー地方へ日帰りでいった日は生憎の天候でしたが、小雨にけむるオンフルール港もなかなかでした。GS休業の名目がパリ研修旅行だったので、主だった菓子屋さんを総ナメ。同行のヒロコちゃんの「スゴーイ!」に気をよくして、名ガイド役に徹した私。食べつづけたのに太っていないのが、よく歩いた証拠です。エッ、来週あたりに体重計に乗ってみろですって?

町を歩きながら、こんな感慨をいだきました。「パリを愛すれば、パリに愛される。反対に戦いを挑めば、パリに意地悪される」と。愛されたいなら愛しなさいなんて、まるでサザンの歌の文句のようですが、パリの町が擬人化されるわけを納得。パリに住んでいたころの私は呪文を唱えるように、ちゃんと仕事をしよう、フランス人に伍して暮らさなくてはと自分に言い聞かせておりました。そもそもそれが、意地を張っていたことになったかも。または町や人をじろじろ眺めていた私をパリが、不躾なやつだと思っていたかもしれません。

旅行者の私は、おおらかなものでした。それに一週間という限られた時間を、目一杯エンジョイしたいものですから、相応の知恵が働きます。どう相応かといえば、もちろん年相応です。先に申しましたように、はじめに「好きです!」を宣言したおかげで、いい写真もたくさん撮れました。家庭科の授業がない国の、素晴らしく充実した手芸屋さん。古きよき時代の置き土産のような、木製の立派なメリー・ゴーランドetc.今回から次ページに反映いたしますので、私のみたパリをご覧ください。