やさしいやさい 2008/12/15 

最近、ポト・フー pot-au-feuが気に入ってます。月例の「GSの夕べ」でも作りましたが、なんといっても野菜がかわいい。本来は牛肉がメインの伝統の煮込み料理ですが、私のは野菜に技ありなんですよ。メインのはずの牛肉とベーコンの塊の影がかすむほど、野菜たちが存在を主張。白いスープ皿で繰り広げられる、からだにやさしい色とりどりのやさいたちの共演に、思わず拍手喝采の一品です。

洋風おでんといわれるくらいですから、ポト・フーについて今さら申し上げるまでもありませんね。そこでこれからフランス式、塊り肉の煮方についてお話したいと思います。フランス式といってもこれは、あくまでも素人流。煮る時間をはぶくために、古くから家庭の主婦たちがしているやり方です。

準備は超かんたん。夕食の後片付けの最後に大鍋に、人数分の生肉を水に浸すだけ。煮込み料理は寒い季節のものですから、一晩そのままキッチンの隅にほっぽっておいてください。翌日、水を含んで膨らんだ肉をそのまま火にかければ、煮る時間が半分に節約できます。ただし深夜、キッチンに入ってきた人が真紅の大鍋をみて驚かないように、ちゃんと蓋をしておいてくださいね。

肉が柔らかくなったころあいを見計らって、大きくカットした人参、セロリ、長葱と丸ごとのかぶを市販のブイヨンで下茹でします。かぶは大きくて、葉がついているものがあればベスト。最後に色よく茹だった野菜を茹で汁といっしょに、ぐらぐら煮え立つ肉の大鍋にうつします。肉を煮る時間が短縮できても、野菜を下茹でするのはちょっとねとお思いでしょうが、お料理こそみた目が肝心(笑)。お皿の上のアートが、冬の夜に映えますよ。