いつもは和食たまにフレンチ 2009/02/15 

「いつも、食べるのはフランス料理ばかりですか?」
よく、みなさんにそう聞かれます。GSにあるのもキッシュとかパテ、オニオングラタンやオムレツといったフレンチ系。それに以前に申しましたが私は、スタッフからマダムと呼ばれる、見た目もまさに外人体型の小太りマダム(笑)。バターと生クリーム、お肉やチーズをたくさん食べて、高カロリーな食生活を送っているにちがいないと思われているようです。

自宅でのおもてなしは、フレンチがほとんどです。といっても気取った料理ではなく、素朴が信条のビストロ料理。たとえば牛スネ肉の赤ワイン煮ですとか、ブイヤベースなどが好評です。ところが意外や意外、私がほんとうに得意な料理は和食。店でスタッフの昼食用のお惣菜を作る私にヒロコちゃんが、上機嫌でこういいます。「マダム、和食屋さんをしたらどうですか」と。そして調子にのって私は、こう答えるのでした。「そうね。十歳若かったら、考えたかも」と。

パリ時代の私は、せっせと和食を作っておりました。フランス人の親友たちがわが家で食べたがったのは、私が作る和食。出し巻き玉子や牡蠣フライが、とくに人気でした。生魚OKのフランス人なら、お刺身にかぎります。たとえば市場のマルシェの魚屋さんで、新鮮な鰯があると一キロ買う。手開きで鰯のお刺身をこしらえて、副産物につみれ汁と磯辺揚げができる。日本食店で買うのはお醤油と、せいぜいダシの素くらいなものでした。お材料がなくて美味しい和食を作ることが、外国で暮らす私の自慢でした。手に入らないものは代用品でまかなって美味しく作るのが、料理の醍醐味。ものもお金も足りないくらいが、生活を充実させるコツですよ。