「夏の夜の夢」のパック 2009/06/15 

夏至になると思い出します、不思議なパックのことを。ちなみに、この6月21日が夏至です。その夜、妖精たちの霊力が、もっとも活発になるといわれているのをご存知ですか?といっても私が、急に霊感おばさんになったわけではありません。世の中に霊能力者がいることは否定しませんし、占いのページもすきです。でもここでいう妖精は、シェイクスピアの「夏の夜の夢」で、主役級の働きをするいたずらなパックのことです。舞台になった夏至の夜の森をパックが、自由に飛びまわっている場面をご想像ください。この際ですから想像力をふくらませて、シェイクスピアを観ちゃいましょう。

妖精のパックが登場人物たちに、魔法の粉を振りかけます。たとえば、眠りから醒めたときに目の前にいる人を愛してしまう粉とか、人の魂を入れ替えてしまう粉です。「夏の夜の夢」の物語の説明をしても、きりがありません。それに次が肝心で、私の記憶の中にいる、もう一人のパックについてこれからお話ししましょう。それはテレビがまだ、白黒だった時代。またまた古い古い話で恐縮ですが半世紀前の、テレビ放送自体がはじまったばかりのころでした。

子供だけでなく大人も、ピエロの衣装のパックを見逃すまいと、番組の前に釘づけになったものです。パックに扮していたのがヨネヤマママコさんで、わが国のパントマイムの草分けだったことも、そしてパックという名前の出処がシェイクスピアの「夏の夜の夢」だということも、当時の私が知るよしもありません。「パック、パック、不思議なパック・・・」という出だしのテーマソングの歌詞も、定かではありません。どなたかおぼえていらっしゃる方がいらしたら、ぜひ教えてくださいな。今日は私の夏の夜の夢にお付き合いくださって、どうもありがとうございました。