あなたもフランスにいけば結婚できる 2010/03/15 

パソコンで原稿を書きながら、このタイトルを思いつき狂喜したものでした。五年前の、講談社さんの依頼でエッセイを書いていたときのことでした。タイトルをつけるのって、微妙なんですよ。たといば『お金がなくても平気な日本人 お金があっても不安な日本人』が売れている勝因は、タイトルにつきると私も納得しております。で話をもどすと、五年前の本のタイトル候補に、“あなたもフランスにいけば結婚できる”を提案しましたが、即座に却下されました(笑)。その代わりについたタイトルは、『恋愛上手なパリジェンヌに学ぶ愛されるヒント』と、お上品なものでした。結果は残念ながら重版もなく、K社の倉庫に眠っています。

あれから五年たった今、なぜ“フランスにいけば結婚できる”が再浮上したかと申しますと、こんなことがありました。先回の<GSの夕べ>で、テーブルを囲んでお食事をしながら、いつものように和気あいあい。よもやま話で盛り上がったときにだれともなく、話題が日仏カップルのことになったのでした。彼らの生活の場は国内ではなく、フランスの地方やパリです。フランスにいって間もなく相手の男性と出会い、そのまま一緒に暮らしている親友の話を、予期せぬ出来事ででもあるかのように話してくれた方がいらっしゃいました。もちろんうわさ話などではなく、本質は女性の満足度の一点につきました。

話のなりゆきで私が、こう断言しました。だれでもフランスにいけば、ぜったいに結婚できると。両国を隔てる一万キロの距離は物理的な意味をこえ、私たちの心に渦巻く月並みな価値観を覆してくれます。そこにいるのは資産や肩書の呪縛から解放されて、おおらかに生きる日本女性たちです。短絡すぎるというお叱りを覚悟で、もういちどいいます。『あなたもフランスにいけば結婚できる』と。