格付けなんてナンセンス

2011/12/1 

ついに大学の格付けがマスコミに登場しましたが、幸いなことに、まったく話題になりませんでしたね。世界に通用するエリートを目指すなら、どうぞオックスブリッジにいらしてください。外国人留学生については、日本がすきで、日本のことを学びたい方を心から歓迎します。経済や法律の授業を、英語でしたら気持ち悪いですもの。鎖国の時代でもあるまいし、それでは偏狭すぎるとののしられようと、まったくひるみません。私たちには、固有の文化があります。特殊といってもいかもしれませんが、だからいいんです。堂々と、格付けの範疇外にいようではありませんか。

強気なようですが、わが国を一歩でたら日本語が通じないことは百も承知です。パリで暮らした20年の前半は、言わざる聞かざるのまるでお猿さんでした。今でこそ「カワイイ」とか、「ベントウ」などの単語が欧米の辞書に加えられるといっても、日本びいきにとって知日派は、マイナーだから意義があるともいえます。「パリでも日本語で大丈夫ですよね」と聞かれたことがありました。とっさに目を丸くしたものの、しばらくして自らの無知に気づきました。たとえばハワイとかグアムなどでは、日本語で困らない場所もあるんですね。大学の格付けの話がハワイに飛んだついでに、言語学習のコツをお教えしましょう。

通じるだけのフランス語力の私に、大きなことはいえませんが、相手にわかってもらうという点で肝心なのは、自分の主義主張をはっきり持つことです。もちろん考えるのも、母国語です。「はじめに言葉ありき」を誤解して、幼児から英語特訓しても、慣れるのは耳と口だけではいただけません。「自分は英語ができないから、子供にはネイティブになってほしいです」のママ心もわかりますが、発音より中身。しっかりした日本語を身に着けてからでも、英語教育は遅くありません。その気になれば、必要に迫られれば、語学は大丈夫。英語力より、考える力がさきかもね。硬い話がつづいて、ごめんなさいね。