印象派がますます好きになりました

2011/12/15 

「ブリジストン美術館」館長の、島田さんとお会いすることが決まってからお会いするまでの緊張感は、当の私の予想をはるかにこえたものでした。それはまるで、快適な受験勉強のようでした。GSから自宅に戻ると仕事のノルマそっちのけで、どっぷり印象派の日々に酔いしれました。「ブリジストン美術館」(略してB美術館)には、ひとかたならない思い入れがあります。といっても、初デートの場所ではありませんが、それ以上に私のノスタルジーをかきたててくれます。ちょっとぶりっ子っぽいかもしれませんが、歳に免じてお許しください。Bは私がはじめて、ひとりで訪れた記念すべき美術館。それも制服のままでしたから、どきどきしながらの遠征でした。箱入り娘なんかじゃなくて、当時の女子高生のだれもが似たり寄ったりだったと思います。公立でも私立でも、男子も女子も、アルバイトをしている高校生がいない時代だったんですよ。

いつものように、ここでそれた話を印象派に戻しましょう。GSのご常連のOさんが昨年、B美術館で展覧会の最終日に買ってきてくださった、「セーヌの流れに沿って」というタイトルの図録も感動的でした。それまでは「落穂拾い」や「晩鐘」のミレーの延長にいた、私のなかの彼ら印象派の画家たちにたいする模糊としたイメージが、その一冊で急激に存在をましていったのでした。そうか、セーヌ川の流れにそってか・・・。ベットの上にミシュランの黄色い地図を広げて、モネやシスレーが暮らした村や町をさがしました。印象派のなにがすごいかといって、自分たちが生きている時代を描こうとした点が素晴らしいです。ギリシャ・ローマやルネサンスの芸術も圧倒的ですが、印象派も際立ちます。千年後、二千年後の美術史が知りたいですね。ああ残念、過去はわかっても未来は想像の世界でしかのぞけません。2011年のしめくくりが印象派では、おかしいですか? 来年も、このページをよろしくネ!