シャルキュトリについて

2014/5/1 

ハムやソーセージ、サラミもそうですが、豚肉加工品のことをフランス語でシャルキュトリでくくります。この他にGSでも作っている、リエットという豚肉を煮詰めたパテや、ベーコンなどの燻製もあります。精肉店とは別に、豚肉加工品の専門店もまたシャルキュトリと呼ばれます。肉食社会のフランス版、お惣菜屋さんと思っていただけばいいでしょう。デパ地下の喧噪こそありませんが、シャルキュトリに慣れると使い勝手がとてもいいんです。チーズ文化も定着したことですし、これから私たち日本人の食卓にぜひ、シャルキュトリを取り入れましょう。満を持したタイミングで昨年、『日本シャルキュトリ協会』が発足しました。フランス農水省管轄の『フランス食品振興会』という大きな組織の現場を仕切っていらしたK女史が新たに協会を設立。そこで、今回はホテルやレストランではなく、一般のご家庭で楽しめるシャルキュトリをご紹介。どこでも手に入るお材料で、パリの街角のシャルキュトリのガラスのショーケースに並んでいるようなお惣菜を作ってみましょう。ニクニクしくなく、お野菜のある優しいシャルキュトリでいきましょう。

まずはソシソン・オ・ポム・ド・テール ポ。ソーセージのことをフランス語でソシソンですから、簡単にいうとジャガイモ・ソーセージです。スーパーの棚を眺めて、一番太いソーセージを選んでください。皮をむいたジャガイモとソーセージを一緒に茹でて、熱々を大きめにカット。市販のマスタードで和えるだけで、立派な一皿の出来上がり。粒マスタードなら、なおけっこう。きゅうりや人参の単品サラダを前菜に用意なされば、正真正銘のフレンチになります。拙著『お金をたけずに食を楽しむフランス人 お金をかけても満足できない日本人』(講談社文庫)に書いたレシピをご紹介しましょう。フランス式にピーラーで皮をむいたきゅうりを、切り口が最大になるように斜め切り。ニンニク少々とパセリ少々を散らして、お酢とサラダ油の自家製ドレッシングで食べる寸前に作るのがコツ。人参のサラダも、同じく3分クッキング。ピーラーで皮をむいて、スライサーでしゃっしゃ。きゅうりとニンジンのサラダは、パリのシャルキュトリで売られている副菜の定番。要領が今いちとお思いでしたら、きゅうりと人参ご持参でGSの厨房においでください。その場で作って、お教えします。今晩は赤ワインを抜いて、シャルキュトリでいきましょう。