日本人はルーズ、それとも寛大

2014/7/1 

いつの間にそうなったのかしらと、しばらく真剣に考えてしまいました。私たちの日常に、「絶対ダメ」なことがなくなった気がします。 たとえば食べ過ぎはダメとか、寝不足はいけませんといった、小さなダメはいくらでもあります。ところが、基本的な人権にかかわる部分での忌避がどれほどあるかといったら、かぎりなくゼロだと思っているのは私だけでしようか。たとえば親が娘や息子の婚約者に会って、相手が気に入らないからといってNOを出すケースを思い浮かべてください。家柄や学歴、職業が気に入らないなどと頓狂なことをいう親が、今どきいるかしら。年の差婚という言葉がはやってますが、夫と舅が同世代は芸能界にかぎりません。30才代の息子が40代後半の彼女を連れてきたら、親が「孫は期待すまい」と呟くかもしれませんが、つぎの瞬間きっと「世のなか、子供がいないカップルもたくさんいるからね」と。

人種的な偏見もありませんから、娘が連れてきた外国人の彼氏に目をしかめても、「〇〇人は絶対ダメ」と最後まで突っぱねる親がいるでしょうか。「もしダメだといって〇〇人の彼氏と別れたとして、それが理由で娘が一生独身を通すようなことになったら大変だわ」と、しぶしぶでも結婚を認めることでしょう。また、娘の夫候補がフリーターだからといって、文句をつけますか? 息子が不法滞在の女性を連れて来て、彼女と結婚したいといったとします。そんな二人を前に仁王立ちになり、「ダメだ!!」と結婚に反対できますか? 「不法滞在はいけません。正規のルートをさがして、法律に則って結婚なさい」というのが関の山。結婚だけでなく子供の進学にしても、大学にいかなくても、自分のやりたい方向に進めばいいと、ほとんどの親たちは思っていることでしょう。いい大学を出て、一流企業に就職したとして、だからといって幸せだとはかぎりません。「子供には好きなことをしてもらいたい」という親の願望に秘められている、「自分が成しえなかったこと」が計らずもフリーターを増殖。人種的な偏見ナシ、学歴神話も潰えました。ユニクロのおかげでブランド品だけでなく、全体的に物にも性にもたんぱく質。ところが不思議なことに、だのに人々のストレスが高まる一方なのはなぜでしょう。世のなかの規範って、必要かもしれませんね。さてさて、この梅雨が明けたら冷夏か猛暑か、どう出るか楽しみですね。