計算が得意で恋愛が下手な日本人

2014/8/1 

計算が苦手で恋愛が上手なフランス人
べつに私、比較が好きなわけではありません。せっかく言うなら、書くなら、読んでいただくなら、わかりやすい方がいいと思っているから、たまにこうなるんです。で今回、本棚の奥にしまってあった、不遇をかこっている拙著をパラパラやっていて、この小見出しに目が止まりました。小見出しにつづいて、こんな文章がありました。“人生が計算どおりになるのなら、計算が得意な私たち日本人は世界で一番幸せになれるはずだ。だが、所得水準と日本人女性の平均寿命はともに世界の最高レベルを誇れても、私たちはいっこうに満たされていないではないか。ならばフランス人のように私たちも、数字より愛を信じよう。あれこれ計算ずくにするのはやめて、本能のおもむくままに生きよう”。なにやら硬くて抽象的ですが、他の箇所に計算がめちゃめちゃ苦手なパリジェンヌのことが具体的に面白おかしく書いてあります。恋愛が上手な彼女たち、彼らのことが。

フランス人が恋愛上手だとしたら、その理由は彼らの恋愛年齢の幅の広さにあると思います。年齢に関係なく男性は女性を、女性は男性を異性として眺めて、好みに合えば見つめる。以前、「あなたもフランスに行けば結婚できる」と書きましたら、そんなに甘くないとお叱りをうけました。たしかに、パリにも独身の日本人女性が、たくさんいらっしゃいます。結婚できると申し上げたからまずかったわけで、「あなたもフランスに行けば恋愛できる」にすればよかったと反省。恋愛が結婚につながるのは、カップルごとにケース by ケースです。法的な結婚と同棲の中間のような、パクスという制度を選ぶ男女もふえてます。出生率が上昇してますが、結婚していないパパとママの子供も急増。両親が結婚していようといまいと、そんなことは幼い子供にとって無関係。いつの場合も、人間社会で最優先事項が愛、アムールだということは永久不変です。ところが、愛はさめるから問題です。愛がさめたら信頼関係で夫婦はありますが、別室はナシ。愛が大切と唱えながら、次なる愛に果敢に挑戦する彼等はまっことタフですわ。みなさんとは申しませんが、フランスにご興味のある仲間内だけでも、年齢にしばられないで愛を意識しましょうよ。アンチ・エイジングの高価なクリームを買うよりも、男性も女性もお金をかけずに若々しくいられますものね。