はじまりの終わりor 終わりのはじまり

2014/10/1 

はじめるのは簡単ですが、辞めるのはむずかしいです。GSをつづけながら、商売に向いてない自分の性格を思い知りました。いい歳をして、今さらたわけたことをとおっしゃるでしょうが、なにごともやってみないと納得できない未熟な私。気がついたら、GSから戻って深夜までボーッとしている私がおりました。マルコ・ポーロやノストラダムスとの出会いに心は嬉々としても、からだが待ったをかけます。パリ時代の20年間に思いを馳せ、やればできると念じても、おっとっと(笑)。8年にわたりご愛顧くださったお客さま、このHPでGSの様子を感じ取ってくださったみなさまに、感謝の気持ちはつきません。ヒロコちゃん、マサノちゃんはじめ、今のイズちゃん、ユウキさん、こんな私にお付き合いくださって、ほんとうにありがとう。彼女たちの希望に満ちた前途を、心から祈っております。どうぞこのアドレスに、みなさまの近況をメールくださいな。店は閉めても神楽坂におりますから、お近くにおいでのせつはご連絡ください。午後のお茶をご一緒しましょう。

「ええーっ、閉めちゃうの!」、「残念!」といってくださる方のためにも、なにがなんでも面白いものを書かなくてはと、これからの自分にプレッシャーをかけましょう。GSをしたからこそ、わかったことがたくさんあります。粉の気持ちが、お紅茶の気持ちがわかりました。一杯目をお出しして、ポットに残った茶葉を見れば、お茶の種類がわかります。乾燥した状態では判別できない茶葉でも、お湯をくぐらせるとわかるんですよ。焼き菓子に貼る賞味期限のシールの日付けを誤って、製造日にしてしまってパニックになったことも、今ではドッキリ帳の一頁。来年からは、焼き上がりを知らせる、オーブンのけたたましいアラームに呼ばれて階段を駆け下りることもなくなるわけです。実はこの夏のペンキ塗りが、私に閉店を決意させてくれました。キレイになった厨房の壁や天井を眺めて、吹っ切れたといっては矛盾するようですが、そうでした。汚れたままで、辞めたくないですもの。センチメンタルな気分で、これから閉店までの日いち日をていねいに過ごそうと思います。以上、GSを年内で閉める旨のお知らせでしたが、このHPは永遠です。