メイプルシロップって面白い!!!

2015/11/1 

僭越きわまりない言い方ですが、知らないことがたくさんあるんだなと思いながら、<メイプルスイーツ・コンテスト>が開催された青山のカナダ大使館から戻りました。もちろん私たちが生涯で知り得ることなど、大宇宙の中の針の先のようなものだということはわかってますが、メイプルシロップが身近な存在なだけに、その意味でとっても謙虚な気分になりました。物事、すぐ飛躍するのが私の欠点で長所でもあるのですが、久々に知のパワーを感じました。そのお裾分けといってはなんですが、今日はにわか仕込みのメイプルシロップについてお聞きください。なんとカロリーもお砂糖より格段に低く、カルシウム約150倍、カリウム100倍。今はやりの、抗酸化食品の優等生ですよ。

<メイプルスイーツ・コンテスト>の主催者は、クインビーガーデンという老舗の蜂蜜屋さんでした。生産地は主に北米ですが、1Lのメイプルシロップを作るのに、なんと40Lのサトウカエデの樹液がいります。葉が出る前の早春に、採取樹液がもっとも多く糖度も高いそうで、森の神秘そのものですね。現在、世界のメープルシロップの79%がカナダ産、その中でケベック州が92%を産出。そう、ケベックはフランコフォンと呼ばれる、フランス語圏の地域なんです。空に向かって3〜40mにもなるカエデの幹にバケツを吊るしている、ケベック州の森の景色が見たいです。1492年、コロンブスがアメリカ大陸を発見したわけですが、この地を踏破したのはフランス人探検家でした。この地にヨーロッパからの入植者が来る以前から、原住民たちは甘い樹液を飲用していたにちがいありません。現在はファーストネーションズと称されているインディアンと、エスキモーと呼ばれたイヌイットの両民族が文字を持たなかったゆえに史料がない点が、メイプルシロップの生い立ちをよりミステリアスなものにしている気がいたします。ただし、甘味を濃縮したシロップになるには19世紀を待たなければなりません。大自然で捕獲された動物の毛皮と、甘い樹液に驚喜する入植者たちの姿が想像できますよね。そして幾多の改良を重ね現在にいたるメイプルシロップの変遷があるわけですが、最終的に世界に広まるのは1960年代以降。正確には80年代に開発された製法によるそうですから、まちがいなく世界最新の自然の甘味。最古の甘味の蜂蜜と最新のメイプルシロップが主商品だなんて、クインビーガーデンという会社もやりますね。おかげさまでパンケーキにシロップをかけるとき、アイスクリームに混ぜるときの歓びが、格段にましました。雑学って、いいですね。