ポリスに見守られたパリのクリスマス

2015/12/15 

東京のクリスマスのイルミネーション、はじめてマジメに眺めました。<六本木ミッドタウン>が圧巻で、30分ぐらい目が離せませんでした。青いLEDライトのグラデーションと移り変わる異次元世界が、これでもかとばかりに広がります。TOSHIBAの文字が鮮明に浮き上がり、美しさとは異質のテクノロジーの勝利で、ただただ凄いです。しいていえば、テクノロジー礼讃といった感じでしょうか。「クラブ・ツーリズム」などの大型バスも来ていて、さながら観光地です。本番の]’masでもっと賑うとすると、元旦の明治神宮なみかも。それにしても飾り方の技術は、わが国が別格。パリもミュンヘンもロンドンのイルミネーションも知っている親友いわく、「東京のこれは、幹に添って正確に取り付けられているの。シャンゼリゼもそうだけど、他の国のお飾りは、無造作にぐるぐる巻いているだけなのよ。端正よね、東芝さんのやることは」。またわが国に、世界一がひとつふえました。これって、性格なんですよね。日本人の技術者はとことんやって極めちゃう。花火もそうですが、なにをしても適当にはできないんですよね。でパリのことが気になって、フランス人の友だちに電話。

「ねえ、どんなかしら今年のノエル?」とたずねたら、「まだノエルじゃないから、わからない」と当たり前の答えが返ってきました。クリスマスのことをフランス語で、ノエルといいます。今年は例のテロ騒ぎがございましたから、機動隊とポリスの監視体制のもとのノエルです。町の様子を彼女に聞いたら、「オ・ラ・ラ!!!!」。そして、つづけて「ヨーコ、来ても大丈夫だからね」と。80年代後半、ユダヤ人街のマレ地区で爆破事件が連発。ヴォージュ広場の回廊はもともと貴族の館ですが、王侯貴族がヴェルサイユ宮殿に移ってからのマレ地区は職人の町。その後はユダヤ系のアパレルが集まり、シナゴグと呼ばれるユダヤ教会を中心にユダヤ人のコミュニティーが大きくなりました。マレ地区のイスラエル系の人たちを標的にした、爆破事故が多発したわけです。つづく90年代初頭、湾岸戦争の影響でパリのイルミネーションが消えました。そうそう、労働組合が繁盛期の12月にひと月のゼネストを決行したことがありました。ことあるごとにパリを訪れる観光客が激減し、旅行会社が倒産。その結果、パリっ子たちは危機に慣れているので今回のテロも大丈夫。ユーロも下がらないし、フランスのワインはますます高騰。いまこそ本気になって、日本のワインに注目する時期かもしれませんね。それでは、良いお年を!!!!!