diary日 記 2016 / 04 / 15

「 空前のブーム 」

なんのことかといいますと、キモノです。気温が急上昇する5月になると、キモノを着ると汗ばむ季節になってしまいますから、せいぜい今の内にお召しください。ニュースで京都や金沢などの古都を背景に、キモノ姿のガイジンさんが映ってますが日本人もふえてます。洋服も千差万別、ドレスもありますし超ミニもいいでしょう。でも、着る側の私たち女性の意識が変わることについては、キモノに勝る衣裳はありません。プラダやシャネルが束になっても、キモノの魅力には叶わないのではないでしょうか。ひとりでも多くの女性たちに、キモノに挑戦してもらいたいと思うのは老婆心でしょうか。

モノを着て歩くにも、キモノにふさわしい町を選んでください。私が住んでいる神楽坂は、その意味ではうってつけ。町自体が和風テイストですから、キモノがもっとも似合う町です。本来は「お江戸日本橋」や「銀座の柳」の両巨頭こそ和の町でしたが、今はちがいます。谷根千と呼ばれる谷中や根津、千駄木なども和の感じが漂っていそうですが、圧倒的に神楽坂に軍配が上がります。若い女性たちのキモノ歩きに追い風になっているのが、リサイクル着物です。ニュースにあるような貸衣裳の話は聞きませんが、帯とキモノで10000万円のセット価格や、着付けと簡単なヘアメイクをしてくれるサービスがあります。数年前は事情がちがっていて、そうしたリサイクル派の女性たちに、神楽坂で幅を利かせていた、元芸者さんのお美しいおばあちゃま方が黙ってませんでした。 「アンタ、ちょっと。なに変なキモノ着てんのよ、みっともない!」のついでに、「そんなおかしなキモノ着てんなら、ウチに来なさい。もっとちゃんとしたの、上げるから」といった声が、通りすがりに聞こえたものでした。あの元気なおばあちゃま方にしても、当時が80歳で10年たったのですから……、威勢のいいお節介がいなくなって、ちょっと残念。 どうぞ女性のみなさま、どんどんキモノで神楽坂を歩いてください。キモノは着ることに意義があるのですから、和服のルールなんて無視してください。なにごとも、まずは形から入りましょう。器ができれば、自ずと中身がついてくるものです。そんな真面目なお話しではなく、手っ取り早く気分転換。いつもの私とちがう、もうひとりの私に出会うために、キモノの力を借りてください。お料理教室やヨガ教室に登録するより、キモノの方が手っ取り早いですから。こう書いていて、私は着物リサイクル店の宣伝係りではありませんが、是非お勧めです。気分転換、意識変革、「どうにでもなーれ!!」で、お金をかけずにキモノにはまってください。 「神楽坂の母」より。