diary日 記 2016 / 06 / 01

「家の光協会」という出版社について

「それって、宗教団体じゃないんですか?」とよくいわれますが、「家の光協会」は社歴90年を超える、れっきとした出版社です。場所はJR飯田橋西口から数分の、外堀通りに面した自社ビル。宗教団体と誤解されるのは、近くに世界三大宗教をミックスしたような総合哲学集団の「生長の家」があることと、「おひかりさん」の通称で知られる世界救世教が一緒になって、一般の方々から「家の光」=宗教団体の勘違い説になったわけです。そこで本日は「家の光協会」ネットにある、「ごあいさつ」から抜粋させていただきます。ぜひ皆さまも検索してみてください。つい最近まで農業が主産業だった、日本の過去と未来がわかりますよ。

創立は1925年、大正14年のことで、2025年に向けて創業100周年企画に燃えているようです。90年前、第三次産業のサービス業という言葉もないころ、「農業・農村文化の向上を目指す、農業協同組合を略してJAグループの出版・文化団体として、農協運動の底力になる」をモットーに、「家庭から協同の心を育むことを目的として、家庭雑誌『家の光』が創刊されました。余談ですが、協同組合という概念自体はドイツで19世紀の後半に生まれましたが、わが国に入ったのは1900年と早いんですよね。協同組合というとコープの呼称で知られる生活協同組合がすぐに思い浮かびますが、JAの旗の下で「家の光協会」の誕生の方がずっと先。なんといっても、農業人口が最も多い時代でしたから。ところが日本経済の上昇気流に反比例して農業人口が減り、農村の過疎化に拍車がかかりました。JAを取り巻く環境が厳しくなっているようです。それでも日本の食を守るには、まず日本の農業を守らなくてはだめです。「明るい農村」という鹿児島の焼酎がございますが、いい名前をつけたものです。今回の『人生後半をもっと愉しむフランス仕込みの暮らし術』の入稿から初校ゲラが出る間にタイミングよく、フランスに行ってまいりました。パリ郊外であった、娘の幼なじみの結婚式への出席が旅行の目的でした。法的な結婚を選ぶカップルが少なくなっていることもあり、200人規模の結婚式は最近では稀。加えて花婿さん側の列席者のほとんどが専業農家だったことに、太いご縁を感じて驚きでした。酪農と穀物生産で知られる、ノルマンディー地方の主都ルーアン近郊で農業を営む花婿側のご親友の全員が、日本に旅行でいらしたことがあるそうで二度びっくり。なにしろ娘の親友の結婚式でしたから親たちは私と同世代。ノルマンディーも好きでしたし、専業農家のご夫妻たちと、数分にして意気投合。「いつもはGパンでトラクターで…」とおっしゃるムッシュと、「明け方から牛に餌…」とおっしゃるマダムが、めちゃめちゃイケてて大感激。農業国を支えるコンサヴァティブ(保守的)な人たちを目の当たりにして、大いなるフランスを再認識。誇り高き人々との交流が、私の真新しい宝物になりました。