diary日 記 2016 / 07 / 15

「 麻のシーツを作ろう!!! 」

シーツと布団カバーを作るのが、隠れた私の趣味です。そうそう、ベッドカバーもとうぜん手作り。IKEAやローラ・アシュレにもいいのがありますし、買った方が安いといわれてしまいますが、気に入った生地を探して縫うのがいいんです。それにシーツもカバーもミシンで直線縫い。畳んで押し入れにしまう和布団なら、白いカバーの既製品のほうがすっきりしますが、ベッドはそうもいきません。朝に晩にどころか、寝室が仕事場でもある私の場合は、部屋にいる間じゅうベッドが視界に入ります。パリ時代に作った、バイアステープで縁取りしただけの、キルティング木綿のカバーを今も使ってます。それに、自分だけの寝具にくるまって眠る気分は格別。そして今回、新たに麻のシーツの魅力に開眼しました。知る人ぞ知る「日本ベッド」のショールームで麻のシーツに出会い、ぜひとも自分で作りたくなりました。だってショールームにあった麻のシーツは素敵でしたが、色が薄いグレーでした。どうしてもピンク系が欲しかった私は、その場で作る気満々。「そうだ、日暮里に行こうと!」と手を叩いてワクワクする私がおりました。

JR京浜東北線と山手線が通る日暮里は、今や全国一の繊維街です。町から生地屋さんが消えたのは、わが国ばかりではありません。東京とほぼ同じ時期に、パリに数軒あった生地屋さんが一斉に閉まり、モンマルトルだけになりました。その点でコットンプリントの殿堂、『リバティー・ハウス』がますます盛んなロンドンが羨ましいですね。それはともかく次の週、さっそく日暮里の一本道をルンルン。まずは繊維街入口近くに昨年できた、小さいけどセンスのいいITOという生地屋さんで、巻きスカート用の生地を買って、本命のNAGATOに直行。そこは品ぞろえも抜群ですが、スタッフのおじさま方のだれもが生地の超ベテラン。重たい反物をひょいと取り出し、すいすいすいとカットする挟み裁きは天下一品。ミラノでもパリでもロンドンでも、日暮里のおじさま方の職人芸はどこへいらしても通用すると私が太鼓判。どうでもいいようなことですが、世界で通用する仕事って、そうはありませんもの。「そうか、これが好きで、日暮里に通っているようなものだわ」と、職人魂にほれぼれの私はひとり合点。なにかにつけて掘り出し物がなくなった現在、品質とお値段が必ずしも一致していないのも、日暮里の魅力です。話を戻してシーツですが、希望通りのイタリア製のローズ系の純麻がございました。シーツは下の折り込み部分がありますから、シングルでもひと幅では無理です。余ったら枕カバーやナプキンにしてもいいので、ふた幅で多めに6メートル。「シーツを作っているヒマがあったら、せっせと仕事せい!」の神さまの声を聴きながら、趣味に生きるのもまんざらではないとニンマリ。恋多き女より、趣味多き女に軍配が上がります。