diary日 記 2016 / 11 / 15

「 赤が着たい!」

「年をとると赤が似合うのよ」といっていた、隣に住んでいたマダムの言葉を思い出しました。いつもは黒系がほとんどなんですが、この秋はなぜか赤が着たいと思います。ちょうどダブルジョゼットの赤い生地を持っていたので、麻のシーツを縫うために買い直した職業ミシンで巻きスカートを作りました。赤いスカートの上は黒ですよね。黒のセーターはけっこう持っているので、組み合わせはばっちり。ところがそれから数日して、またまた赤いもの を買ってしまいました。新宿を歩いていて、いつもは見もしないお店のウィンドーにディスプレイされていた赤い襟付きのカーディガンに目が釘付け。お値段がヤング価格だったこともあり、またしても赤。上のカーディガが赤なら、下は黒かグレー。なんなのこれって、 まるで『赤と黒』を読み返せといわれているようでした。

スタンダールという小説家があんがい好きで、何冊も読みました。『赤と黒』が彼の代表作で、ジュリアン・ソレルというめちゃハンサムな青年が主人公のすごい小説です。その話を書くと長くなりますので、今日は赤にこだわって作ったお菓子の話にします。真っ赤な姫リンゴがあったので、丸のままが活かせるドゥイヨン Douillonというリンゴのパイ包みを作りました。青森物産展などにある、四角い箱に入った丸ごとリンゴパイがそれですが、私のは真っ赤。というか、赤い色につられて、そのお菓子を作ろうと思ったわけです。このせつバターが高いですから、パイ生地は市販がおすすめです。小麦粉とバターを混ぜて、なんども伸ばしておる作業は肩が凝ります。お金と時間と質を天秤にかければ、だんぜん市販のパイシートが楽。それさえあれば、芯を取っただけの赤い皮つき丸のまんまリンゴをひたひたのシロップで軟らかくなるまで煮て、水分を切ってパイシートで包むだけ。より完成度を高くしたかったら、硬いカスタードクリームを作ってリンゴの芯に詰め込んで、リンゴが安定するようにリンゴとパイ生地の間にほんの少し敷きましょう。カスタードクリームの作り方は適当で、火にかけた小鍋に牛乳とお砂糖と卵黄を入れて100円ショップで買った小さな泡だて器でくるくる混ぜ、同じく100円ショップで買った茶こしで小麦粉をお鍋に振り入れて、焦げないように混ぜながら、糊のように半透明になるまで煮ればいいだけ。『すずめのお宿』の雀に、このカスタード糊を食べさせてあげたいです。さてさて、リンゴが包めるサイズにパイシートをカットして、リンゴを包んでください。かわいく包めたら、カス タードクリームを作るとき残した卵白を、パイ生地の表面に塗ってください。パイは焼く温度が肝心で、生地がだれないように200°位で、色よくかわいく焼いてください。そうそう、リンゴのお菓子なので、シナモンをお忘れなく。サクッとしたパイを崩すと、中から真っ赤なリンゴちゃん。不景気だと赤がはやると昔の人は言いましたが、どうなんでしょう?