diary日 記 2017 / 03 / 01

ふたたび『ジャパン・アズ・ナンバーワン』

「みんなで平等に貧しくなっていけばいい」という著名な方の発言が物議をかもしていますが、それはないと思います。その方がおっしゃるには、人口減少と移民受け入れが無理な国だから貧しくなるのだそうですが、どう考えても納得できません。女史がおっしゃっている「日本は単一民族神話」と「多文化共生に耐えられない」にも、首を傾げます。ラテンとゲルマンやスラブといった、極端にタイプが違う民族が混在しているヨーロッパにくらべて日本の場合は、アジア色が強いので単一民族として同化されておりますが、大和朝廷や奈良、平安のころの帰化人も大勢います。鎌倉時代、元寇の役で捕虜になった人たちも、日本人になった子孫が脈々。蒙古帝国のフビライの部下たちにはヨーロッパ系もいたでしょう。異民族だという意識がないままに、たとえば元寇の役の捕虜たちから、日本人の子孫が脈々。つい最近まで私たちだって、白人はみなアメリカ人だと思っていたのですから、わからないということは逞しいわけです。多文化共生に耐えられないどころか、他文化を吸収する能力について日本人は、世界でも類まれなほどスキルが高いです。小学生のころ新聞に連載されていた、新田次郎さんのページだったと思うのですが、エスキモーの記事をむさぼるように読んで、食い入るように写真を見たものです。新田次郎さんの息子さんが『国家の品格』をお書きになった藤原正彦さんだと知った数日間は、とっても気分爽快でした。話が逸れましたが、日本人は多文化共生に耐えられないどころか、まさに多文化と共生してきて今日があると思います。みなさんの友人知人の中に、「この人、スラブの血が入っているわよね」とか「あの人、ギリシャのエーゲ海の離れ小島にいそうよね」といった風貌の方がいるはずです。日本人は単一民族ではありませんし、多文化と共生できますから、私たち日本人はみんな平等に貧しくはならないと私が断言します。

パリに20年暮らした経験から申しますが、ユートピアではありませんが、わが国はとても居心地のいい国です。それが言いたくて私はエッセイを書いているのであって、フランス人やフランスを絶賛しているわけではありません。ささやかながらフランス的なエスプリを持つことで、私たちの暮らしがもっとずっと快適になると確信しているから「フランス」を声高に申し上げているだけです。抽象論ばかりでは説得力がないので、「日本が素晴らしい証拠」の具体例をお話しましょう。つい最近、パリ在住35年と40年の友人が永久帰国。60代と70代の女性ですが、長い滞仏生活にピリオドを打って戻られました。ニューヨークに35年住んでいらした方も、ご夫婦で帰国して日本に永住を決意。ロンドンからもフランクフルトからも、欧米から永久的な帰国組が続々です。「日本がいいわね、日本が一番よ!」と笑顔でおっしゃいますが、日本人だから祖国が一番というだけではありません。長い外国生活を踏まえた上での「日本が一番」は、なんとも説得力があります。外国で長く暮らさないと、日本のよさがわからないの?????、 もちろん冗談ですよ。