diary日 記 2017 / 09 / 01

羊肉の古典料理に成功!!!

その前に、今、読み終えた本にあった、笑える箇所をお聞かせします。学生時代に読んでタイトルが気に入っていますが、本日、再読したら抜群でした。アラン・シリトーの『土曜の夜と日曜の朝』という小説の主人公、自動車工場で働くアーサーの「戦争を始めてみやがれ……おれがどんなに悪い兵隊になれるか見せてやる」の台詞、よくないですか? 20歳のころには得たいが知れない、漠とした面白さでしかなかったものがぐっと手ごたえがありました。もしかしたらこれが、人生の後半に差しかかった証拠かもしれません(笑)。驚きの実態がなんなのか、自分なりの答えを出す時期になったのかも。『中世の秋』にも夢中になりましたが、秋、好きです。ちなみにシリトーの、『長距離走者の孤独』もおすすめです。それでは今日の本題、数日前に作った羊肉の煮込み料理、<ナヴァラン・ダニョ>について自慢させてもらいます。フランス語の表記は、Navirin d'Agneauです。ナヴァランは地名で、1827年のギリシャ独立戦争で英仏軍とオスマントルコの対戦地に由来するという説もありますが、それより以前からナヴァランという料理はありました。また、煮込みにカブを意味するNavetを使うからともいわれてます。それではキッチンにご一緒して、今回は羊のナヴァランを作りましょう。

ご準備いただくのは、羊肉、玉葱、カブ、人参、ニンニク1片、トマトピュレ、小麦粉、サラダオイル、コンソメ、なんでもいいですから香草とお塩。私の鉄板調理器具の深めのフライパンと、蓋つき大鍋をご用意ください。包丁とまな板はなんて、おっしゃらないでくださいね。煮込み料理ですから所要時間は2時間ぐらいですが、召し上がる前夜に煮たまま放置、翌日調味すれば1時間でOK。このお料理の成功の鍵は、羊肉の調達につきます。スーパーの精肉コーナーにある羊肉は骨付きラムチョップかジンギスカン用なので、ナヴァランには不向き。インターネットで検索できますから、肩肉の塊をご用意ください。脂身を掃除して、ビーフシチューを作る要領でカットしますので多め。ガスは同時に二口使い、右に底にお湯を沸かした大鍋、左に深めのフライパンをかけます。大き目のブツ切りにした羊肉をサラダオイルで、ニンニクの薄切りとフライパンで色づくまで炒め、肉の上からまんべんなく小麦粉をはたいて、さらに加熱。このとき、日清製粉さんの<クッキング・フラワー>がものすごく重宝しました。焼き色がついた段階で、お肉だけフライパンからお鍋のお湯にばしゃばしゃ移します。その都度、フライパンに残った羊の油は捨ててサラダオイルを足し、繰り返すこと数回。焦がさないようにことことと見守るうちに、お鍋の中身がこんがりブラウンソースの羊肉シチューにメタモルフォーズ。翌日、調味してお皿に盛るときに、茹でたての蕪と人参を散らして本格フレンチのできあがり、ボナペチ!!!!