diary日 記 2018 / 02 / 01

蠟梅とヒヨドリ

今日、あたりにちらほら雪が残る午後、ベランダに挿してある蠟梅の枝にヒヨドリが飛んで来て止まりました。私がいつもいる寝室兼の仕事部屋の窓から、ベランダが真横から見えるんです。「ああ、キレイだな」とパソコン越しに蠟梅を眺めていたときのことでしたので、ヒヨドリと視線が合ったらどうしようと一瞬慌てました。とくにしっかりした枝に陣取って先様は、そこからあかりのついていない応接間の様子をガラス越しにキョロキョロ見まわしているではありませんか。ヒヨドリの蠟梅にいた時間を計ってみましたら、なんと17分間でした。ヒヨドリは蠟梅の花が好物で、一度に10粒ぐらい平らげるんですよ。でも今日はお腹が一杯だったらしく、ひと粒も食べないで17分後に飛び立っていきました。その後にベランダに出て、ヒヨドリがいた位置に立ち、いったいなにをあんなに熱心に眺めていたのかたしかめてみました。バードが17分間も見ていたんですもの、あらためて自分の家の応接間を観察してしまいました。

毎年、この季節にいただく蠟梅は、ヒヨドリがいくら食べてもなくならないほど花がたくさんついていて枝ぶりも圧巻。ガラス戸を開けると、蠟梅の馥郁たる香りが室内を満たしてくれて最高です。持つべきものは友であると、この季節になると蠟梅をくれる女友だちへの感謝心が募ります。以前は「植木屋さんに蠟梅、切ってもらってあるから取りに来て」と電話があると、私が千葉に住んでいる学生時代の彼女のところに蠟梅をもらいに行ってました。といってもこの数年、車ナシの生活なので、車を持っている友だちに車を出してもらっておりました。ところがラッキーなことに昨年から、蠟梅屋敷の彼女の息子さんがウチのご近所に引っ越していらしたのです。お孫さんの顔を見がてら、彼女がウチに蠟梅を届けてくれるというパターンになりました。なにしろ花屋さんではお目にかかれないほど立派で、幹の太いところは直径が4cmもあるんですよ。彼女の家の庭に植わっている蠟梅の親木がまたすごくて、2階建ての屋根をゆうに超える巨木。パリに住んでいたり、東京でも家を転々とした私とちがって彼女は定住型なんです。結婚なさった数年後に家を建てたときに植えた蠟梅だそうで、ゆうに40年たってます。家族と一緒に大きく育ってくれて、決まった季節になると、凛とした大粒の花をつけてくれる蠟梅の庭がある生活もいいなと、人生が二度あればと思ったりもします。黙っていると他人さまにはもちろん、夫にも気づかれていないんですが、娘だけは知っていて私をノマード呼ばわりするんです。それはともかくとして、今は蠟梅が主役ですが、三期咲きのオンシジウムと大きなシクラメンと訳ありアイビー。前の家の玄関先で枯れかかっていた、ベンジャミンも見事に蘇生。いつの間にかベランダが、賑やかなガーデンになりました。