diary日 記 2019 / 08 / 01

夏休みの学童はお弁当持ち

「学校の夏休み、お母さんは仕事に行く前に学童に行く子供のお弁当を作るって本当?」 まだまだ知らないことがありすぎると、わが身の無知をつくづく実感。私の周りに働く若いママたちがたくさんいらっしゃるんで、彼女たちに「学童にお弁当」の実情を聞いてみました。するとだれもが、「そうなんですよ、給食がなくなるんで」と、ちょっと辛いけど当たり前のようにおっしゃる。「真夏は傷みますから、なお大変なんです」にいたって、私は絶句。「働き方改革」とか「女性が安心して働ける社会」でこれかと、いつになく真剣に選挙に行きました。給食センターの経営者と従業員さんたちは、どうしていらっしゃるのかしら? 給食がない時期は休職のはず、ありませんよね。世の中がこれだけコンビニに依存しているんですから、夏休みの学童はコンビニ弁当でいけませんか? 給食代との差額は、公費で賄う。働くママたちは、たっぷり税金を納めてますしね。政治家先生さまは、「学童にお弁当」をどこまで把握しておられるのか疑問です。ところが私が真剣に「学童にお弁当?」に呆れ、「コンビニ学童弁当」を立案いたしましたが、これがたいへん不評でした。ご意見のほとんどが、「子供のお弁当は手作りが原則よ」的。それにしてもお弁当神話、わが国に定着してますよね。そんなこんなで、ここしばらくお弁当が私の頭を占拠。そのさなか、パリの遠足のエピソードを思い出しました。

パリの子育て時代、遠足の付き添いというと、毎回、私に白羽の矢が立ちました。遠足のことは、フランスではピクニックと呼ぶんです。小学生がクラス単位で、校長先生の一存で行先と日程が決まるそうでした。子供を叱れない私が、クラスの腕白たちに受けるわけですが、校長先生にたのまれれば断れません。でピクニックは、こうした朝の点呼からはじまります。いつものように校庭に集まった子供たちに先生が、「お弁当、持ってこなかった子は手を上げて?」と聞くと、パラパラ子供たちの手が上がりました。ピクニックの日程は、1か月ほど前から掲示板に貼られます。それに10歳までは保護者の送り迎えが半ば義務付けられているので、先生と親のコミュニケーションは密のはず。だのに遠足にお弁当を持たせない親がいることに、はじめは大いに驚きました。ところが先生もわきまえたもので、そばにいる子供に手を上げた人数分のカスクルートを給食室からもらってこさせるんです。カスクルートとは、簡単にご説明するとサンドイッチの親分のようなもの。その日の給食の中身をバゲットに挟んで、紙に包んだカスクルートが、お弁当を持ってこなかった子供のお昼になります。お弁当を持ってこなかった子供を、先生も仲間たちも特別視しないのが彼らのモラル。モラルの前では、お弁当に母親の愛情の入り込む隙間がないんですよね。いずれにしても、ママが楽な方がいいかも。人間は考える葦とはいえ、考えるにもネタがいる。またネタを探しますから、よろしくね。