以前も書きましたが、チーズやバター、お肉をよく食べるフランス人に、心筋梗塞が少ないのはなぜ???? 食肉の習慣の比重が高いから飽和脂肪酸が多いはずなのに、フレンチ・パラドックスの真意は赤ワインにありでした。ところがここにきて、フランス人のワイン消費量が逓減。フレンチ・パラドックスが通用しなくなるのを危惧する以前に、21世紀に入った前後で、フランス人の食に対する意識が激変。1970年代あたりに吹き荒れた、生クリームとバターを減らし、新鮮な材料を使った軽い料理が幅を利かせたヌーヴェル・キュイジーヌの嵐の洗礼を受けたからともいえますが、フランスの食卓に異変アリです。アメリカで先行したヴェジタリアンの受け売りではなく、フランス人の食生活にBIO、つまり無添加オーガニック食品が定着。これについては狂牛病もまた、追い風になりました。卵や乳製品まで排除した徹底した菜食主義のヴィーガンはフランスではマイノリティーで、人気は有機農法のBIOです。根が食いしん坊な人たちですから、美味しいBIOが全国に拡散し、パリ市内のBIOマルシェはどこも大盛況。【安全・安心】に【美味しい】がプラスして、数年前にBIO+C’est bon→BIO C’BONまで誕生。これについてはわが国の場合は、スーパーのイオンがフランス冷凍食品の老舗、ピカールと提携してフランスっぽくお洒落に都内を中心に店舗を展開中。話をフランスに戻しますと業務用の冷凍食品とは別個に家庭用のピカールは、1970年代の初頭からパリっ子たちの日常に浸透しはじめ、今や食卓に欠かせない存在です。私はやりませんが、友人を誘っての自宅ディナーで、食前酒のおつまみとしてのアペリティフから前菜とメイン、とうぜんデザートまで、すべてピカールで調達するフランス人も珍しくありません。これについては、ピカールがひと昔前のフォションになったとマジメにいう仲間もいるほどです。冷凍食品の豊富な品ぞろえとBIOの普及は矛盾しそうですが、お招きしないより冷凍食品のフルコースの方が、まちがいなくベターです。それでは次に、パリで一番人気のラスパイユ通りのBIOマルシェの充実ぶりをお聞きください。
パリ6区、サン・ジェルマン通りをリンヌ通りで曲がった先のラスパイユ通りに日曜ごと、BIO専門のマルシェが立つようになったのは1989年のことでした。当初は出店数も少なく、食品は野菜と果物、パンとチーズなどの乳製品、クッキーや蜂蜜、オリーヴ油やお菓子くらい。石鹸や、麻やコットン素材の手作り衣服程度でしたが、今や倍増どころか10倍です。青空市場はどこもそうですが出店場所が決まっているので、お客さんたちはそれぞれに贔屓にしているお店を決めてます。BIOマルシェは生産直売が多いことから、お店のオーナーとお客さんのコミュニケーションが密なのが魅力です。本日の写真にBIOマルシェの写真をUPしているので、ご覧ください。フランス人のBIOブームを裏付けるように、マルシェも成長。EUの有機農法規制も浸透し、BIOのワインや食材をうたったビストロやレストランも町中にふえて、健康志向に拍車がかかりました。美味求道路線まっしぐらな、フランスのBIO食品の今後にご期待ください。