果物でなにが一番好きかと聞かれたら、迷わずリンゴと答えます。「もっと美味しい果物あるのに・・・・・・」と言われておりますが、メロンやシャインマスカット、イチゴよりリンゴです。梨はともかく、イチゴもリンゴと同じバラ科なのが不思議ですね。
記憶が定かではありませんが、『トム・ソーヤの冒険』ではなかったかしら。
悪戯で機知に富んだトムが、おばちゃんから大きさのちがうリンゴをふたつもらいました。そこに友達が来て、トムがリンゴを上げることになったわけです。
新大陸アメリカでは実直が美徳ですから、友達に物を上げるなら大きい方を差し出すべきだとトムは教えられていたわけです。でもトムは、自分が大きい方のリンゴが欲しいので一案。来た親友に、リンゴを二つとも上げてしまいます。すると今度はトムがもらう側になりましたから、大きい方のリンゴが手に入ったと。こう平坦に書くと面白くもなんでもないのですが、トムの頭の回転の速さが絶妙でなるほどと、子供心に思いました。この物語の記憶も手伝って、私のりんご好きはじまったかも。
開拓時代のヒーローのひとりに、<リンゴのジョニー、がいます。マサチューセッツに生まれて、アメリカ全土にリンゴの種を撒くジョニーの物語は知られてます。『トム・ソーヤの冒険』は後で南北戦争以前の物語ですから、すでにリンゴが全国に広まっていたことになりますね。ちなみにわが国でのリンゴの栽培は官主導で、明治8(1875)年に旧津軽藩からはじまりました。シーズンはまだですが、青森産リンゴの王者フジの完成度が納得できる気がいたします。